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2010年06月27日

みさくぼの民話

水窪に伝わる民話
昔、西浦の沼元という所の大池には 夫婦の大蛇が棲んでいたのですが ある時、山から落ちてきた大岩で メスの大蛇が死んでしまいました。
しばらくして また大雨が降って池が崩れ翁川に流されてしまいました。
大蛇は流れて小畑で水窪川に出ました。すぐ下流の川の中に弁天島という岩の島があるのですが激流はこの島にもぶつかりいつ氾濫するか分からない状態です。

ところで、この近くにおたかという評判の美人が大工のお婿さんをもらって赤ん坊を儲け仲良く住んでいました。
この 大水の中 おたかは、オムツの洗濯をするといって たらいを持って止めるのも聞かず出かけました。川端に来たおたかは 誘われたようにたらいに乗ってしまいました。ところがたらいはひっくり返りもせず、静かに川面を滑って行ってしまいました。

乳の無い赤ん坊は泣きつづけて 目がつぶれてしまいました。残された亭主の夢枕におたかは「私は竜神に誘われて 鳴瀬の滝に来ております。今は蛇身になって竜神の妻になっております。子供に一目会いたいので明日 鏡を持って子供をつれて鳴瀬の滝まで来てください。」

男が滝つぼに行くと 前にも増して美しいおたかが現れ「坊やの目がつぶれたそうな。私が直してあげましょう」というと おたかは鏡を持って消えて 赤ん坊の泣きふさがった目がパッチリと開いて治ってしまったという。

男が「もう一度姿を見せてくれ」と叫ぶと にわかに黒雲が天を覆い稲妻が閃き 大蛇が現れました。男はあまりの恐ろしさにその場に 一時伏し崩れてしまいました。


みさくぼの民話
弁天島

イチローさんのブログ「鳴瀬の滝」



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