› 自然の恵み › 山住の祭りNo3

2011年05月26日

山住の祭りNo3

昨日からの続き(こちらからご覧下さい)
「おい、そんな所で寝てると風邪引くに!」 親戚のおばさんに言われて気がつくと カツたちは山住様の炊事場の壁に寄りかかって座っているうち 寝込んでしまったのだ。

カツが おっ父うを探すと隣のトラ兄いが 
「こりゃあ、かめで取り寄せた特別の焼酎だで」と大きな竹筒をおっ父うに傾けている。
ここで、出会って意気投合したのだ。
トラ兄いは 包みを開けながら、
「肴も持って来たでよ」
「おい、こりゃあ、四足じゃあ無いか、肉を食べて山住様に登ると放られるちゅう話だぞ。」
「なあに、そんなの迷信ずら。」
おっ父うは 食べなかった。
空が曇ってきた。
「ことに寄ると、雨になるかも知れん。急いで下りるか・・・」
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隣のトラ兄いが
「鳥居場は もうすぐだ。」と言ったとたん 
「アッ」と 道の下に転がり落ち、樫の木の茂みに引っかかって ようやく止まった。
坂道には小石が転がっていて 丸いそれに乗るとローラースケートのように 足をすくわれる。
足の骨が折れたかもしれない。おっ父うは河内浦の鳥居場まで トラ兄いを 背負って降りた。
ここから 医者様までは大八車で運んだ。
町では、「トラ兄いは肉を食べたで放られた」と噂になりました。

町の人は 山住様に行くときは 肉は食べなかったといいます。


これは、フィクションであり 登場人物など全て架空のものです。



Posted by 木タロウ at 00:15│Comments(0)
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