› 自然の恵み › 山住の祭り

2011年05月24日

山住の祭り

時は昭和の時代11月17日
キタノホツのカネさは小学生のカツと美代を連れて山住様の祭りに出かけた。
カツと美代は名前を書いた紙を朝早く学校の箱の中へ入れて来た。これで学校は出席扱いとなる。
新町の高橋を渡ってムカイチバを歩いていく。掘割を過ぎると、切り立った岩には布を垂らしたような一筋の流れ、布滝だ。
河内浦の鳥居場に着くと出店が並んでいる。
キタノホツのカネさは出店で煮イカを肴に熱燗を2杯ほどひっかけた。

鳥居をくぐると、ここから道は狭くなり勾配がきつくなる。カツと美代は「先に行くね」と ここで出会ったクボンタのハナやコウたちと 木の根っこがゴツゴツ出ている細道を登っていく。少し広くなったところで先に歩いていた7~8人を追い越した。先のほうを見ればぞろぞろと登っている。
もうお参りを済ませた早い人たちが降りてくる。丁度道が狭く、すれ違うときは 道の外によけて待っていてくれる。
しばらく、登ったところで道の真ん中に大きな石が一つあり、しめ縄が張ってある。家康が腰掛けた腰掛岩だという。

上り詰めた峠を折れると大きな門が見える。覗いてみると こわい仁王様ではない。右大臣と左大臣でしょうか、良くは知らない。本殿の方から太鼓が聞こえてくる。やはり、境内でも出店が並んでいて賑やかだ。
カツたちは 鳥居をくぐって段々を登って賽銭を投げ手を合わせると、本殿の裏へ回った。
「おばさん!」親戚のおばさんを探した。おこもりといって遠方からの信者が泊りがけでお参りに来ている。おばさんは 神職や おこもりの人たちの食事の世話に頼まれて来ているのだった。
おばさんは味噌汁を持って来てくれた。カツたちは竹の皮を広げオッカアの握ってくれたにんぎいをその味噌汁で食う。
汗ばんだ体はひんやりと寒くなってきた。熱々の味噌汁がうまい。

こちらへつづく



Posted by 木タロウ at 00:12│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
山住の祭り
    コメント(0)