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2017年09月22日

浦川歌舞伎2017

第29回浦川歌舞伎が公演される
平成29年9月23日(土)10時開場・11時開演
旧浦川中学校体育館

幕末は安政5年(1858)のことでした。
江戸歌舞伎役者の名門 音羽屋 4世尾上菊五郎の養子 尾上栄三郎は座頭となって地方巡業の途中 豊橋から飯田へ巡った。
そこで発病。治療するも回復の兆し無く 浦川に名医ありのうわさを聞き 天竜川を船で下り 蘭学の見龍先生の診察を受けたが 手遅れであった。

覚悟を決めた栄三郎は 舞台の上で死ねたら本望と この浦川で忠臣蔵五段目 早野勘平の役をこなし この世を去った。

後に この尾上栄三郎をしのんで 地元の人が地歌舞伎を上演するようになったのが 浦川歌舞伎である。

第1幕 釣女 
あるところに住む大名は、まだお嫁さんがいません。そこで、同じくまだお嫁さんがいない太郎冠者をお供に、縁結びの神として有名な西宮のえびすさまに参詣に出かけます。
大名と太郎冠者は神様に「お嫁さんが欲しい」とお願いし、神様からのお告げを待つため、神社に夜通しこもります。すると、夢の中で「あなたのお嫁さんは西の門にいる」とお告げがありました。
大名が急いで西の門に行くと、お嫁さんではなく釣竿が落ちています。大名が釣竿をかまえ糸を放ると、なんと美しいお姫様が釣れ、二人はめでたく夫婦となることに。うらやましくてたまらない太郎冠者も釣竿を借り受けて「よし、おれも!」と釣り糸をたれますが、釣れたのは二目とは見られない醜女だったのです。醜女は太郎冠者に一目惚れ。離れはしないと取りすがります・・・・。

第2幕 牡丹景清 畠山重忠館の場
重忠の妻 奥柴は、夫の帰りが遅いことを案じています。しばらくして重忠が館に戻ってきますが、顔色が良くありません。奥柴がその理由を尋ねると、重忠は、主君源頼朝から今宵のうちに とらえている平維盛の子 六代君を討ち、その首を差し出すよう命じられたことを打ち明けます。そして、景清の妹である妻奥柴に、紅白の牡丹の花になぞらえて六代君を討つように謎をかけます。もともと平家の身でありながら、夫の面目を立てようと六代君を討つことを決心する妻の本心に打たれた重忠は、六代君を助けることにします。

 そこへ諸国遍歴をしていた景清が訪れます。重忠の館に六代君が捕らわれていることを知った景清は、平家再興のために六代君を連れて逃げようと計画します。

 その夜、重忠の誘いで館に泊まることとなった景清は、重忠と酒を酌み交わし、牡丹の花になぞらえて源平の盛衰を語り合います。しかし、景清は、花になぞらえて素性を探ろうとする重忠に腹を立て、六代君を奥の御殿から連れ出そうとします。そこを重忠に見つかり、三保谷に追い迫られて対決をしますが、重忠の情けのある計らいにより、またの再開を約束して別れるのでした。

第3幕 白波五人男 稲瀬川勢揃いの場(シラナミゴニンオトコ イナセガワセイゾロイノバ)
 浦川小学校児童が 演じます。

「志らなみ」の字を染め抜いた番傘を差して男伊達の扮装に身を包んだ五人男の名乗り。花道を堂々と登場後、舞台に来て捕り手を前に五人組が勢揃い。一人ずつ「渡り台詞」で見得を切り、縁語や掛詞を駆使した七五調のリズミカルな「連ね」で名乗ります。

問われて名乗るもおこがましいが、産まれは遠州浜松在、十四の年から親に放れ、身の生業も白浪の沖を越えたる夜働き、盗みはすれど非道はせず、人に情を掛川から金谷をかけて宿々で、義賊と噂高札に廻る配附の盥越し、危ねえその身の境界も最早四十に、人間の定めはわずか五十年、六十余州に隠れのねえ賊徒の首領日本駄右衛門。

さてその次は江の島の岩本院の児あがり、ふだん着慣れし振袖から髷も島田に由井ヶ浜、打ち込む浪にしっぽりと女に化けた美人局、油断のならぬ小娘も小袋坂に身の破れ、悪い浮名も竜の口土の牢へも二度三度、だんだん越える鳥居数、八幡様の氏子にて鎌倉無宿と肩書も、島に育ってその名さえ、弁天小僧菊之助。

続いて次に控えしは月の武蔵の江戸そだち、幼児の折から手癖が悪く、抜参りからぐれ出して、旅をかせぎに西国を廻って首尾も吉野山、まぶな仕事も大峰に足をとめたる奈良の京、碁打と言って寺々や豪家へ入り込み、盗んだる金が御嶽の罪科は、蹴抜の塔の二重三重、重なる悪事に高飛びなし、後を隠せし判官の御名前騙りの忠信利平。

またその次に列なるは、以前は武家の中小姓、故主のために切り取りも、鈍き刃の腰越や砥上ヶ原に身の錆を磨ぎなおしても抜き兼ねる、盗み心の深翠り、柳の都谷七郷、花水橋の切取りから、今牛若と名も高く、忍ぶ姿も人の目に月影ヶ谷神輿ヶ嶽、今日ぞ命の明け方に消ゆる間近き星月夜、その名も赤星十三郎。

 どんじりに控えしは、潮風荒き小ゆるぎの磯馴の松の曲りなり、人となったる浜そだち、仁義の道も白川の夜船へ乗り込む船盗人、波にきらめく稲妻の白刃に脅す人殺し、背負って立たれぬ罪科は、その身に重き虎ヶ石、悪事千里というからはどうで終いは木の空と覚悟は予て鴫立沢、しかし哀れは身に知らぬ念仏嫌えな南郷力丸。
浦川歌舞伎2017

第4幕 鬼一法眼三略の巻
鬼一法限の館に、牛若、鬼三太(きさんた)の主従が虎蔵、智恵内と名を変えて中間に住み込み、兵法三略の巻を奪おうとする。鬼一は虎蔵を牛若と見破り、娘の皆鶴姫の恋する虎蔵に虎の巻を授け、源氏の再興を祈って自害する。一条大蔵卿の寵愛を受ける常磐御前が、平家調伏していることを知った勘解由は、清盛に注進しようとする。作り阿呆になっていた大蔵卿はこれを切り捨て、源氏再興に心を尽くす常磐御前や鬼次郎夫婦に、源氏を庇護する本心を明かし、また元の作り阿呆に戻って狂言舞に興ずる(大蔵卿)。

浦川歌舞伎保存会053-967-2158(広野会長)



Posted by 木タロウ at 00:38│Comments(0)
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